再びリビングに戻って椅子に腰かける。
「じゃあ、改めて自己紹介。俺は宮野 由里人。一応来栖さんと同じクラスなんだけど、その様子を見るに俺の事知らないよね」
「…そうですね」
「まぁ、いいや」
で、何してたの?と、神代くんに尋ねる宮野くん。
「夕飯作ってただけだよ」
「へぇ、もう同棲してたんだ」
「んなわけないだろ、帰れないから家に泊まってもらうだけ」
それ以上のことはなにもないから、と宮野くんに向けても私に向けても言う。
「へぇ……俺だったら、」
「来栖さん、由里の話は聞かなくていいから」



「ふふ…二人とも、仲がいいんだね。羨ましいな」


本当に羨ましい。
私には友達と言える友達がいなかった。というより、自ら独りを選んでた。
きっと、それが妹への唯一の償いになると、また昔みたいになれると、そう思っていたから。
そして、もう傷つけられたくないと、守りに入ってしまったから。




「…俺は来栖さんと仲良くなりたいと思ってるよ」




そんな言葉が私の心を優しく包み込む。