Side.I
「いきなりごめんね、樹詩くん。」
心地のいい低音が静かな廊下に響く。
連れてこられた場所は、陽芽達の様子は見えても会話は聞こえてこない距離がある廊下。
「君には別に、話をしておきたいことがあったんだ。」
そう言ってニコリと微笑む顔は強面では無いのに少し威圧感があった。
『はい、なんですか?』
そんな雰囲気の人と会うのは久しぶりすぎて、いや、今世では初めてで少し緊張する。
「まずは、いきなり君と陽芽を結婚させると言う話を勝手に進めてしまって申し訳ない。」
そう言って桜我さんは頭を下げる。
『そ、そんな、大丈夫です!頭を上げてください!!』
ゆっくりと上げられる頭。やっぱり綺麗な青色の瞳。生きているという感じがなく、まるで作り物のような宝石みたいな瞳。
その瞳がゆるりと細められた。
「ありがとう。」
『あ、あの…』
「なんだい?」
『俺が許嫁に選ばれた理由を、聞いてもいいですか?』
それを聞いて桜我さんは目を開いた。聞いていないのか、とでも言うように。
『あ、聞いてはいたのですが、やっぱり俺っておかしいじゃないですか…。
俺が武道を一通りやっていて強いからっていう理由なら陽芽さんにSPさんを付ければいいのではないか、思いまして…。』
「いきなりごめんね、樹詩くん。」
心地のいい低音が静かな廊下に響く。
連れてこられた場所は、陽芽達の様子は見えても会話は聞こえてこない距離がある廊下。
「君には別に、話をしておきたいことがあったんだ。」
そう言ってニコリと微笑む顔は強面では無いのに少し威圧感があった。
『はい、なんですか?』
そんな雰囲気の人と会うのは久しぶりすぎて、いや、今世では初めてで少し緊張する。
「まずは、いきなり君と陽芽を結婚させると言う話を勝手に進めてしまって申し訳ない。」
そう言って桜我さんは頭を下げる。
『そ、そんな、大丈夫です!頭を上げてください!!』
ゆっくりと上げられる頭。やっぱり綺麗な青色の瞳。生きているという感じがなく、まるで作り物のような宝石みたいな瞳。
その瞳がゆるりと細められた。
「ありがとう。」
『あ、あの…』
「なんだい?」
『俺が許嫁に選ばれた理由を、聞いてもいいですか?』
それを聞いて桜我さんは目を開いた。聞いていないのか、とでも言うように。
『あ、聞いてはいたのですが、やっぱり俺っておかしいじゃないですか…。
俺が武道を一通りやっていて強いからっていう理由なら陽芽さんにSPさんを付ければいいのではないか、思いまして…。』



