それから1ヶ月が過ぎ2ヶ月半、
季節は秋終盤。
キャバクラから五十嵐拓成の姿が
消えた。
ミクがNO1なのは拓成のお陰と思わ
せたく、店には、顔を出していなかった。

しかし

五十嵐が手を引いたと聞きっけた
名高き御曹司が通い詰めミクの評判は
鰻登り。

今日も違う御曹司がミクを落としに
やってくる。
あの五十嵐拓成が落とせなかった、女

ゲーム感覚も手伝ってかミク指名は
毎日毎日続き売上はかなり上がっていた。

最初店側も上客の彼が、パッタリと来なくなり、ミクに何か不手際があったのかと、心配したが
遥かに超える来客にウハウハ状態。

おバカに見えて才女‼
なんとも可愛らしい見栄え。
ミクの話は面白く客をあきさせなかった。

舞香は、連絡を待っている自分がいる
事に、気づいていた。
しかし、怒りっぽい拓成が許して
くれるとは思えず、寂しさを仕事に集中し忘れる事にした。


ある日、テレビ局が取材にくる。
そう店長から聞いた。

ミクの評判を聞きつけたらしく
店も軽い宣伝と思い了承したとの事だった。



「今日は、一番可愛らしい子が揃って
いると、男達に評判の━━
”みのり”にやって来ましたー‼

この店でNO1のミクさんに話を
うかがいまーす。」


「可愛らしいですね
さすがNO1‼」

「いえいえ、みんな可愛い子ばかり
ですよ。」

「えーと‼ミクさんには
彼氏いますか?」

「いませんよ。
こっ酷く振られちゃて
フリーです。」

「振られた?」

「はい‼クスクス」

「なんでまた?」

「性格の不一致デスカネぶふふ」

「ん?付き合ってる彼氏さんがいたんで
すね。」

「ん?付き合う前ですね。」

「あ~ミクさんが告って振られたん
ですね。
ミクさんに告られた彼
今頃後悔されてますね。」

「いえいえ、告ってないです。
告られて振られちゃいまし
た。」

「ん?告られて?振られた?」

「そ、そ」

「なんでー?」

「嫌われちゃいました。」
ぶふふふふ

「何やらかしました?」

「彼の部屋で寝てました。
彼、私を探し回ってて
私の性格に疲れたんですね
たぶん。ぷふふ


「あ~なんか分かる気がしますね。
じやぁ今フリーなら
俺 立候補してもいいですか?」

「勿論。彼氏になります?」

ここでカンペがだされる。


「??? アレェ?ミクさんの彼氏さんから
生電話です。?」

「もしもしテレビ××の西川です。?
ミクさんのカレシ?サン?」

「そうです。五十嵐です。?
お前カレシ候補は無理‼‼
ミクには、俺がいるから..'」

「え?彼氏なんですか?
ミクサンの??」

「え‼そう..なん?」
ミクは、不思議な顔をむける。

「保留中、ってたろう。」

「?!??」