誰でもいいから大きな音でも立てて私から視線を逸らしてくれないか、もしくは目の前でこの黒塗りの高そうな車がエンジントラブルで爆発でもしてここら一体、もしくは私を吹き飛ばしてくれないか、そんな事を強く思った。 が、倉庫付近の気候は穏やかだし、綺麗に整備された車は爆発どころかエンジン音さえもしない。 巷で噂のハイブリットなのだろう。 シーンとした空間で、私だけが震えている。 「連れてこい」