「いいよ〜!いいよね、蓮くん」


「ん。別にいいけど。」


「やった!よし、雪、英語教えて!!笑」


「いーよ!かわりに物理と数学教えて!!」


「りょうかい!」


「え…あ、ど、しよ…」


私と澪が話していると、不意に消え入りそうな声が聞こえた。


「どしたの蒼」


その声の発信源は蒼くん。


「みんな、俺に勉強教えてくださいっ!!」


なんだかいつになく真剣な蒼くん。


「なんかあったの?」


様子がおかしい蒼くんにすかさず声をかける澪。


「実はさ…今度のテストで赤点1個でもとったら試合、出させてくれないんだよね…」


わぁ…確か蒼くんはサッカー部だったよなぁ。


大変そう…。


「ちなみに蒼、この前のテスト赤点何個?」


そう聞いたのは蓮くん。


実は蓮くんと蒼くんはすごく仲がいいんだ。


教室でよく一緒にいるのをみかける。


「…ぶ…」


「「「ぶ??」」」


なんと全員の声がハモった笑


「ぜん、ぶ…」


蒼くんが言葉を発した次の瞬間。


「「はぁああ?!」」



蓮くんと澪の大きな声が教室を埋め尽くした。