「待って澪」


「じゃあ、またねー」


「澪!」


「…」


蒼の声を無視して帰ろうとしていると


ぐいっと腕を引っ張られて、唇を押し付けられた。


「…何」


「…澪、ごめん」


「別に、蒼悪いことしてないじゃん」


「うん、でもごめん」


「…ばか」


「うん、ごめん」


「もー!!ごめんごめんうるっさい!謝んないでってば!」


「…ごめ、あ。」


「…愛美さん?元カノ?」


「…んー、まあ」


「へぇー。」


「澪、妬いてる…?」


「調子乗んなばか!」


「ごめんごめん」


「まーた謝る」


「…あ、ごめ、あー!!!無理だ!」


「あははっ。妬いてるよ、私。結構…。蒼のこと、独り占めしたいもん。」


「っ!!!…俺も、いっつも嫉妬してる。」


「じゃあお互い様!」


「えっ」


「今は、蒼が追いかけてきてくれるから。…それだけでいいよ。」


「いつでも追いかけるけど?」


「ふーん?」


「…帰ろ!澪!」


「うん!」


夕日に照らされる2人の笑顔はキラキラ眩しかった。