僕の夢が見つかった瞬間

「あ…あの!」

俺は、思わず声を掛けてしまった。

「ん?どうしましたか?」

「あ…。聞きたいことがあるんですけど、お時間大丈夫でしょうか?」

主治医は、自分の腕にしてる腕時計を見た。

「あぁ。いいですよ。」

俺は、心の中にため込んでる気持ちを吐き出した。

「どうして、医者になろうと思ったんですか?」

「…。」

か…固まった!?どうしよう…!質問する順番を間違えた…。

「自分は、最初っから医者になろうとは思わなかったよ。」

「え…?」

「俺も、夢がなくて迷ってた時期があったんだ。そんなとき、俺は医者という職業に目が止まっ

た。人を助けて、命を救う。そんな職業に憧れたのかな。」

主治医は、フッと微笑んだ。

「あの頃の自分は人の役に立ちたかったのかもしれない。でも、それにはまだまだ力不足だと気づ

いたんだ。今のままじゃ、駄目だ。何か身に付けないと。その頃から、勉強をひたすら頑張った

よ。」

主治医は、俺の方を真っすぐ見た。

「何かを成し遂げるにはそれなりの努力が必要だ。そのために、俺は勉強したしから、医者になれ

た!」

すると、主治医は俺の頭を撫でた。

「昔の自分みたいだな、君は!自分の事を分かろうとするなんて、えらいぞ!そういう奴は、必ず

夢が叶うんだよ!」