「ひっ…華ちゃんだぁ…まりあ怖いよぉ」

わざと怯えたような声を出して光輝の
服を掴んだまりあ

「お前まだまりあの事いじめてんのか」

大河が私の胸ぐらを掴んで地を這うような
低い声でそう言った

ビクッと肩が震える

「っ…てめぇ」

大河が拳を振り上げた

殴られる…!

この後にくる衝撃を考えて咄嗟に目を
きつく瞑った


「へー。1人の女の子に寄って集ってって、
蒼も落ちたもんだねー 」

扉の方から声が聞こえた

誰?

「あ?…んだと。つか誰だてめぇ」

大河が私の胸ぐらを掴んでいた手を少し緩め
声のした方を見た

扉の所には1人の男の子が立っていた

私と同じぐらいの身長なのに細身で
燃えるような赤髪に青のメッシュが入っていて
耳には龍のピアスをつけていた

「お前……おい、行くぞ」

何かよくわからないことを口にしてから
大河達は屋上を出て行ってしまった