深い闇

「言いたくない」

「ダチか?親か?それともどっかの
族のやつらか?」

金髪は私の言葉を無視して

私の腕をつかんでる手に力を込め
ながら質問してきた

「だから…言いたくな…」

「言えよ!!!」

ビクッと思わず体が反応した

「他の奴らには言わなくていい!
だけど…俺には…言ってくれよ…お前が
何に苦しんでるのか…」

金髪の声が弱々しく震えている

私の腕をつかんでいる手の力も抜けた

「金髪…」

「っ…ごめん…俺」

金髪は私に背を向けた

その肩は少し震えていた…

「心配かけてごめん…でも大丈夫だから」

「お前っ…」

明らかにわかりやすい嘘をついた私

金髪はそれに気づいたみたいだけど
私は言われるのが怖いから

「ごめん…疲れたから少し寝るね」

「あ、あぁ…また明日な。なんか
あったら連絡しろよ」

そう言って金髪は病室を出て行った

━ポロッ

「っ…あ、れ?」

なんで…

どうして…

どこも痛くないのに

涙が止まらない…

「な、んでよっ…ふっ…」

金髪にいわれた一言の

“なんかあったら連絡しろよ”

が頭に残って離れない…

「うぅ…」