深い闇

ギプスで固定されてるから
思い通りに動けなくてイライラする

それから一週間が経って

だんだん背中の痛みも無くなり

少しずつ動けるようになった時

━コンコン

こんな時間に誰だろう

と思いながらも

「…はい。」

と返事をした

だが中々入ってこない

病室の外で何人かが言い争っている
声が聞こえてきた

「誰ですか?」

他の部屋の人に迷惑になるから
ベットから扉の外に向かって声をかけた

すると───

「お邪魔しまーす…」

入ってきたのは

「なんであんた達がここにいんのよ」

澪牙の幹部達と月島と滝津だった

「それはこっちのセリフな」

私から1番遠い所の壁に寄りかかり
ながら金髪がそう言った

「別に…階段から落ちちゃっただけ」

ぷいっと皆から視線を逸らして答えた

「華ちゃん大丈夫!?」

「なんで階段から落ちたの!?」

「誰にやられたんすか!?」

赤髪と月島と滝津からの質問攻め

「いやぁ…ちょっと滑っただけだから」

赤髪達は「本当に?」ってしつこかった
けどなんとかわかってくれた


ただ…


金髪だけはさっきからじっとこっちを
見てくる

私はその視線に気づいていない振りを
して外を眺めた

「そーいえばさ!華ちゃん!」

急に赤髪が大きな声で話し始めた

「なに、急に」

「1週間だけお試しで仲間になるやつ
華ちゃんが退院してからもう1回
チャンスくれないかな?」

「…は?」

もう1回って…

「ね!皆も良いでしょ?」

私の意見も聞かずに赤髪はみんなに
聞いていて

「良いんじゃない?」「あぁ」
「もちろん!」「やったー!」

と皆は賛成のようで勝手に決まっていた

その後もガヤガヤワイワイ騒いで

「じゃあ、僕達今日は帰るね!」

「またな」

「お大事にー!」

皆口々にそう言って病室を出て行った

私は黙って見送った

赤髪達が帰ったので再び静まり
返る病室

そのまま私がまた外を眺めていると

病室の扉が開く音がした

「え。。」

振り返ると

そこには


「お前…俺達になんか隠してる事
あんだろ…?」

「な、なんの事か」

私はあわててシラを切った

「階段から落ちたなんて…そんなんで
俺達の事騙せると思ったのか?」

金髪の冷たい目に私が映る

「誰にやられたんだよ…」

金髪の瞳が微かに揺れた

「な、に言ってんの?そんなのは
ただの勝手な想像でしょ?」

悟られないように外へ視線を向けた

「俺達今は仮でも仲間だろ」

仲間…

何言ってんの…

「私に仲間なんて必要ない…
仲間なんて…」

私のその言葉に対して金髪は何も
答えない

代わりに

「ちょっ!…何すんの」

私の腕をまくった

まだ消えてない痣が顕になった

慌てて腕を離そうとするけど金髪は
私の腕をつかんで離さない

「…これ…誰にやられた」

金髪は私の腕をみて一瞬驚いたような
顔をしたけど、直ぐに険しい顔になった