「えっ…本当の事言わないんすか?」

緑髪が質問してきた

「本当の事言った所で…って感じだから…
それに、今の蒼は私の話を絶対信じて
くれないと思う」

「そうなんすか…」

「暗い雰囲気になっちゃったね!
なんかゲームとかしない?」

そう言って私は黒髪と緑髪がゲームを
取りに行ってる間に

「ごめん…」

そう呟いて倉庫を後にした

今は1人になりたい気分だったから…


家の前に着くと電気が付いていた

「最悪…」

ガチャッとドアを開けると

「おかえりぃ華〜」

部屋の中からはタバコと酒の匂いがした

「…ただいま…」

この人は私の母親だ

普段どこにいるのかわからないけど
たまに帰ってきては飲み荒らす

仕事で疲れてるのか私に暴力を振る
時もある

「あんたさ〜今何時だと思ってんの?
あたしが帰ってくる日ぐらい鍵開けて
中で待ってろよ!!」

そう怒鳴って私のお腹を殴った

「うっ…」

私は、喧嘩が出来るかもしれないけど

母親や仲間であった蒼の事は
どう頑張っても殴る事が出来ない…

だから私はこうやって震えながら
耐えることしか出来ない

「あんたのせいでね!私の人生は
めちゃくちゃなのよっ!!」

倒れた私を何度も蹴りつける母

服で隠すことが出来るお腹や太もも
腕を狙っている

「うっ…ごめん、っなさ…いっ」

その時────


━ピーンポーン


突然インターホンが鳴った

「チッ…こんな時間に誰だよ」

私を蹴ることをやめて玄関へ向かう母

「はーい、どちら様ですか?」

よそ行きの声を出してドアを開けた

「いっ…」

私は床にうずくまって静かにする

バレたら後で何されるかわかんない

でも、

玄関から聞こえてきたのは予想外の
人物の声だった

「夜分遅くにすいませーん
華ちゃんは中にいますかー?」

この声

赤髪?

なんで…うちに?

「華なら今日は疲れてるみたいで
もう寝ちゃったわ」

なんて嘘を軽々しくつく母

「そーなんですか?僕達華ちゃんの
忘れ物届けに来たんですけどー」

…ん?

今”僕達“って言った?

赤髪1人じゃないの?

「あら、すいませんねーわざわざ。
あの子ったら他人に迷惑ばかりかける
んだからーありがとうございますー」

「じゃあ、僕達今日は帰りますね。
また明日ねー“華ちゃん”」

バレてる!?

いや、ないよね…

「はぁ〜」

母が溜息をつきながら帰ってきた

「ご、ごめんなさい…」

「あんたっていっつもそう!他人に
迷惑だけかけて、邪魔なのよ!
それにあいつら誰だよ!」

また私のことを蹴り始めた

「っ…同じク…ラスっ…うっ」

「あー!もうイライラするっ!」

いきなり発狂し出した母

タバコに火をつけた

「いやっ…それだけは…ごめんなさい!
もう迷惑かけませんから…」

「うるさいっ!!黙れ!」

「あっ!…いっ〜」

━ジュッ

タバコの火を私の腕につける

治りかけてる傷に火を当てるから
余計痛む

「ごめんなさい…ごめんなさいっ」

「うるさいうるさいうるさいっ!!
黙れ!あんたなんかいなくて良いのよ!
早く死んでよっ!」

その後散々私を殴った後家を出て行った

今日は、酷かったな…いつもより…

体が痛すぎて起き上がることができない

このまま死ねたらな…

母親が苦しむことも無くなるし、
みんなに迷惑かけないで済む

「はぁっ……はぁ」