置かれた腕を払い除けてその男を睨む

「良いね〜その目〜そそられるよ」

その言葉を無視して行こうとすると

「逃げられないよ〜」

そう言ってニヤニヤし始めた

「まじでキモイ。早くどいて」

冷たく言い放ってもニヤニヤしながら
こっちを見てくる男たち

しょうがない…

人に知られるのが嫌だけど…

殺るしかないか…

そう思いギュッと拳を握った

その時───

「おめぇら何してんだよ」

すぐ近くから声が聞こえて
その方向を見ると

「あ…」

声の主も私に気づいたらしく

「華ちゃん?」「お前さっきの」

私の名前を呼んだ赤髪の声と
白髪の声が重なった

「お、お前ら…」

そう言い残して男たちはどこかへ
走って逃げていった

残されたのは私と、赤髪、白髪。

それと、知らない男

茶髪で少し幼い顔立ち
身長も私と同じぐらいで
赤髪と白髪と同じ龍のピアスをつけている

「………」

少しの間沈黙が流れる

その沈黙を破ったのは赤髪だった

「こんな時間に何してんの?」

学校では聞かなかった低い声

「別に何も」