その数時間後

あいつは呑気にやって来た

でも、まりあの姿を見るなりとても
びっくりた感じで「どうしたの?」
とまりあに近づこうとした──

のを

「お前がやったんだろ?」

大河が止めた

「え…何言ってるの?」

あいつは私はやってないと否定した

そこで大河の怒りが爆発したんだろう

あいつは俺達の目の前で
大河にボコボコに殴られ、蹴られていた…

「私は、やって…ない」

俺に何度も助けを求める視線を
送ってきたが、俺はそれを無視した


その時のあいつの酷く傷ついた顔が
俺の頭からずっと離れないんだ


あいつが居なくなった倉庫は
なんだか元気が無かった…

まりあは下っ端とは一切関わらない

下っ端達はあいつが辞めてから
結構な人数が減っていた

余程あいつの事が好きだったのだろう

学校では瞬く間に噂が広がり、
皆から除け者扱いされていた


裏では陰湿な虐めを受けていたらしく、
たまに見かけるあいつの顔や体には

いつも、包帯や湿布が巻いてあった