夫と病院に入院した。流石に、手術では排除できないらしく、毎日抗ガン剤の副作用と闘っている。でも、そんな時の生き甲斐は、お見舞いに来てくれる、息子と娘。でも、息子は何かを隠しているのだろうか…
次のページには、そう書かれていた。

2人は入院してから抗ガン剤治療をしていた。
流石に高校の帰りにしか寄れないけど、葵が来るのを待ち、2人の病室に足を運ぶのが日課になっていた。
ガラッと扉を開けると、
「樹。葵。来てくれたんだね。」と必ず母さんは言う。
「どう?母さん。父さん。調子は…」葵が言う。
「まあまあかな?」と父さんは言う。
2人は入院し始めた時より痩せていて、食欲も落ちている。
その時、病室に看護師さんが入って来た。
「こんにちは。樹くん、葵ちゃん。」と挨拶してくれる。
父さん達の担当看護師の茜さんだ。