「どうしたの?」と葵は言った。
「葵…聞いて?」母さんが言う。
「うん…」葵は父さんや母さんの雰囲気で何かを悟ったらしく少し暗かった。
「あのな?父さんも母さんも末期の肺ガンだ。だから、明日から入院して治療が始まる事になるんだ。」父さんが言った。
「え?何それ?嘘だよね?」葵はパニックになっていた。
「本当よ。ごめんね。」母さんは優しく微笑んで言った。

次の日、母さん達は入院した。それは6月の終わりの事だった。