大晦日。病院から電話があった。
もしかしたら、ダメかもしれない。そんな内容だった気がする。
俺は、眠たそうな葵を起こして病院に向かった。
ガラッと思いっきり扉を開けると苦しそうにしている父さんや母さんの姿があった。
「父さん!母さん!」いっくら俺が呼びかけても目を開けない。
「起きて!起きて!父さん!母さん!」葵も叫んだ。
来た先生には、
「もう、今夜が山です。こちらも手を尽くしましたが残念です。」そう言われた。
茜さんも黙って俺達を見ていた。