ホワイトクリスマス。
俺達は兄妹が両親と一緒に居た最後のクリスマス。この日が俺達にとって最高のクリスマスプレゼントになった。
病院に帰ると父さん達は満足そうな顔をしていた。
「良かったね。」病院の帰り道、葵は嬉しそうに言った。
「そうだな。」俺は同意する。
ふとケーキ屋を見ると小さなホールケーキが売っている。
「葵。ケーキ買う?」と聞くと、
「うん!」と元気よく言った。
ホールケーキの値段は3000円。現在の所持金4000円。買ったら速攻金欠だ。
仕方ない。目をキラキラさせた葵が見てる。買うか...
俺は意を決してホールケーキを買った。