次の日、俺は葵に起こされた。
頭が痛い。11月に雨で濡れたまま寝るバカが居た所為で風邪をひいてしまった。
「兄さん。顔、赤いけど大丈夫?」と言われるが
「大丈夫。でも、あんまり近寄るなよ?」そう言って、葵を送り出す。
生憎、今日は学校の創立記念日。休みの日だ。
少し寝ようと思い、俺はベッドに倒れ込む。
俺が起きたのは、それから30分後のことで、頭痛が増していた。
俺は、マスクをして父さん達の病院に向かう。
フラフラする。咳も出る。流石にヤバイ。
素人の俺でも分かるくらいだ。
でも、2人には心配して欲しくない…
2人の時間は、もう直ぐ無くなってしまうから。
出来れば、知られたく無いのが本望だった。