2年前の話。
俺の父さんと母さんは天国行きの片道切符を持ち一生帰ってくる事のない旅行に出掛けた。その時の2人の顔は嬉しそうだった…

「樹兄さん。片付け手伝ってよ!」と上の階で妹の葵の声が聞こえた。
俺は2階に向かい片付けを手伝う。
俺らは、やっと心の整理がついた今年、遺品整理が出来るようになった。
「兄さん。これ見て?」と葵が手にしていたのは、1冊の日記帳。中を見ると母さんの字だった。
日付は、あの日からだった。
俺は気になって葵と一緒に日記を読んでみることにした。