入院してから1ヶ月経った。急にあの子が優しくなった。どうしたのだろう。
夫も少し心配している。でも、2人して話し方はいつもと変わらなかった…

2人が入院してから、8月になり葵も少しずつ進路について考え始めていた。
決して頭が悪い訳ではない葵は、何故か俺の通っている高校に行きたいと言い始めた。それを、2人に相談すると、
「良いんじゃないか?」と父さんは言った。
「何言ってんだよ。俺の通ってる学校だぞ?」そう言うと、
「大丈夫。だって、樹が通っている高校なんだから。」そう言った母さんの目には、謎の自信で満ち溢れていた。
「何その自信…」俺はちょっと呆れつつ言った。
その時、「母さん〜父さん〜」と葵が入って来た。