「そうだ。樹くん。先生が呼んでるから、後で来てね?」と茜さんに言われる。
「わかりました…」俺は言う。
葵は目を輝かせながら、茜さんを見ていた。
茜さんが「失礼しました。」と病室を出て行った後、俺は「ちょっと行ってくる。」と言って、父さん達の担当医の所まで行く。
ノックをして入る。
「あ、樹くん。お久しぶり。さぁ、座って。」と言われ、座る。
この病院には結構来ていて、俺たちの親は45歳と若いらしくその子供である俺と葵は、優しい兄妹という噂が立っており、名前を知っている人がやけに多かった。
「で、何ですか?」と聞くと、
「あのね、君達兄妹には酷な事を言う事になるかもしれないけど…」と先生はそこで言葉を詰まらせた。