コンコンッと勇気を出してノックをする。
「はい…」と声がしたので、
「久しぶり。潤。」と私は部屋の中に入った。
「え〜と」と彼が戸惑った顔をする。
「蘭です。」と言うと、
「あ、蘭さん。お久しぶりです。」と彼は思い出したように言った。
「すみません。名前を忘れてしまって…」と頭を下げて謝るので、
「いや、こっちこそ。いきなり来てごめん。」私も頭を下げて謝った。
「こっちにどうぞ。」と彼は部屋に座る場所を作ってくれて、私はそこに座った。
「あの…何かあったんですか?」彼は聞いて来た。
「え?なんで?」私が言うと、
「いや、浮かない顔をしていたので…」と彼は答えた。
やっぱり潤には敵わないな…そう思った。