潤が記憶喪失になってから2、3年が経った。
私はあの日から、潤の事を待つと決めていたけど彼の家の前まで来てしまった。
私の手が伸びて、インターフォンを押す。
ガチャッと音がして玄関から出て来たのは、彼のお母さんだった。
「あら、蘭ちゃん久しぶり。」と明るく声を掛けてくれるお母さん。
「お久しぶりです。潤くん居ますか?」私は唐突に聞いてしまった。
「え?ええ。居るわよ。久しぶりに会う?」と言われ
「はい。お願いします。」と言って家に上がらせてもらった。
2階へ上がり、潤の部屋の前まで歩く。
ノックをして入ろうとするが、その勇気がなかった。