まさか女の子の後輩にそれを言われるとは...。

私は軽く苦笑しながらそっと2番目のボタンを外す。

後輩はふわっと笑いながらそれをポケットにしまい、高校に行っても頑張ってください!と言って学校に戻っていった。

ふと、ボタンの足りない制服をみて明日からどうしよう....なんて考えが過ぎった。


いや、今日で卒業だ。この制服ともバイバイなんだ。


なんだかとても寂しい気持ちになった。


そうだ。


もうこれでおしまい。


教室でみんなで馬鹿やった日々も、一生懸命に駆け抜けた青春も、少し木の匂いがする3年生の教室とも。


そしてこの制服とも。


胸にのぼる熱い何かをぐっと堪え、バス停へ急いだ。