西田さんの背中を見送ってから視線を戻せば、大賀君たちが、それは自然にこちらへ歩みを進めてきた。


そして、栗原君がクールに言い放つ。


「五人で廻る?」



「え?」と一瞬戸惑った私の言葉なんか、「廻ろう!」と即答した栞ちゃんの言葉にかき消された。


そうして、ピカーっと光っている五色の飲み物が、川岸に並ぶことになったんだけど。



隣に立つ大賀君に、左胸がドクドクと波を打っている。


……大賀君も私服だ。


緩く着た薄紫っぽいスモーキーカラーの開襟シャツに、黒のパンツ。腕時計と、サコッシュバッグ。


そんなシンプルな出で立ちで、どうしてここまでとんでもないオーラがだせるんだろう?


オシャレに着崩した制服とも、比にならない破壊力だ。
……くらくらする。



そんなこっちの都合はつゆ知らず、「もうすぐ始まるね」と大賀君は空を見上げた。


「……う、うん」