もしかしたら、私も彼と手を繋ぎたかったのだろうか?

「君の手は小さいな」

…あなたの手が大きいからだと思います。

そう思ったけれど、口に出すのはやめた。

「でも、悪くないな。

むしろ、とても心地がいい」

「――ッ…」

否定したい。

何故か心がほんわかと温かくなったのは、気のせいだと信じたい。

酔っ払っているだけだと思いたいけれど、今日は直木くんのせいでそんなに飲まなかったことを思い出した。

だから、お酒のせいにすると言うことなんてできない。

期限である1ヶ月はまだ始まったばかりである。

「結香」

「はい」

「こう言うの、いいな」

そう言った宇奈月さんに、
「…そうですか」

私は返事をした。

彼が何を考えて、何を思っているのか、私はまだわからない。