「もう寝る」

「あ、あの…」

そう言って背中を向けようとした宇奈月さんを呼び止めると、
「明日も、帰りが遅くなります…」
と、言った。

「明日も?」

「その、会社の関係と言うヤツで…」

「ああ、そう」

宇奈月さんは返事をすると、その場から立ち去った。

その後ろ姿を見送ると、
「…過保護かよ」

私はやれやれと息を吐いて呟いた。

今日はもう遅い。

早くお風呂に入って、早く寝よう。

靴を脱いで自室へと向かいながら、私はそんなことを思った。

「それにしても、1ヶ月って結構長いなあ…」

よく考えて結論を出すための時間とは言え、長過ぎるんじゃないだろうか?

同居はつらいけど、私の中でよーく考えてから答えを出しましょう…。