「その通りだ。

君は思った以上に賢い人間だと、そう判断した」

いや、賢いって…。

本当にこの人の情緒はどうなっているんだよ…。

「どうだ?

お互いの今後のために一緒に生活をしてみると言うのは?」

宇奈月さんが聞いてきた。

今後って何だ、今後って。

まあ、もしかしたら一緒に生活をすれば何か見えてくるかも知れない。

それこそ、どうしてお見合いや結婚することを決意した理由もわかることだろう。

お金の使い方だ生活スタイルだ家族関係だ、とにかくいろいろと判断してから断るのもありかも知れない。

うんと首を縦に振ってうなずくと、私は口を開いた。

「わかりました、一緒に生活をしましょう」

そう言った私に、
「よろしく頼むよ」

宇奈月さんが手を差し出してきた。

握手をしたいらしい。

「こちらこそ」

私はそう返事をすると、商談成立と言うように握手を交わした。