その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―



「要は、俺のことすげー好きってことですよね?」

何をどうまとめたらそうなるのか。

広沢くんが自信たっぷりに問いかけてくる。


「そんなふうには……」

完全否定はできないけれど、彼のいいように纏められすぎている気がする。

咄嗟に出かけた反論の言葉を制止するように、広沢くんが私の唇に人差し指をあてた。


「もういいです。すごくよくわかったんで」

「何が……」

「もう、完全に俺のものだってことがです」


機嫌よさげに微笑んだ広沢くんが、頬に触れていた手を耳の横から私の髪に差し入れながら頭の後ろに移動させる。


「あんまり可愛い反応されたら、会議室でも関係なく押し倒しちゃうと思うんで。気を付けてくださいね、れーこさん」

ドクンと、会議室中に響いたんじゃないかと思うくらい、心臓が大きな音をたてる。

それを合図にしたかのように、唇にあてられた指が離れて、すぐ代わって広沢くんの唇が触れた。

初めから遠慮のない強引なキスを受け止める胸が昂る。

彼に反論できる言葉は、私の頭にはもう何も思い浮かばなかった。