その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―




「今は本気だと思ってるかもしれないけど、いつか後悔したらどうするの?広沢くんには8つも上の私よりも、同じ年くらいの秦野さんみたいな子のほうが似合ってる」

目をそらしながら言うと、広沢くんが不意に私の肩をつかんだ。

驚いて目を見開いた私の背を、広沢くんが会議室の壁に乱暴に押し付ける。

会議室に響いた大きな音と広沢くんの行動に呆然とする私を、彼が怖い目で見下ろした。


「後悔って何ですか?俺が選択した結果に後悔するかどうかを決めるのは、確氷さんじゃなくて俺自身です」

広沢くんに強い口調で言い切られてドキリとする。


「もし今このまま確氷さんのことを逃したら、そっちのほうが後悔が残ります。だから、もういいですよね?」

何がどういいのか、質問の意味が全くわからない。

小さく首を傾げたとき、不意に顔を近づけてきた広沢くんの唇が私のそれと重なった。

彼の行動と現状理解に思考が追いついていない私は、壁に押し付けられてされるがままになる。