その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―




照れたように少しだけ顔を赤くした広沢くんが、様子を窺うように私の顔を覗き見る。


「これはもう、このままキスしても拒否られない流れですよね?」

広沢くんが小首を傾げて確かめるように訊ねて距離を縮めてきたから、まだそんな覚悟のない私はひどく焦った。


「そ、そんなわけないでしょ!」

近づいてきた広沢くんの顔を手のひらで力いっぱい押しやると、彼が私の手をつかんで不満げな顔をする。


「どうしてですか?今、確氷さんも俺のことが好きって言ったじゃないですか」

「言ってないわよ」

「確氷さんの心の声がそう言ってました」

「言ってないってば!」


「俺が本気で好きだって言ってるんだから、確氷さんだってはぐらかさないでちゃんと答えてください」

私を見据える広沢くんの強い眼差しが、私の心を臆病にする。

どうして、広沢くんはこんなにも真っ直ぐにぶれない気持ちをぶつけてくるんだろう。

それなのに私は……