その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―



テーブルに戻ると、食べ終わった料理の皿はほとんど片付けられていて、みんな近くに座っている人と時間潰しに会話していた。

そんな中、北原さんから一番遠い位置に座っていた広沢くんが、誰とも話さずにスマホを弄っている姿が目に付いた。

そういえば、食事中もあまり飲んだり食べたりせずにスマホを弄っていたような気がする。

つまらなかったのかな。

彼のことが気になりながらも、私は企画部長に会をそろそろお開きにすることを告げて、ほかの参加者にもそのことを伝えた。


「会費の支払いは私にお願いします。それと、北原さんが費用の半分くらいを払ってくださったのでお礼を伝えてくださいね」

立ち上がって、少しばかり声を張り上げていると、通話を終えた北原さんがテーブルに戻ってきた。


「北原さん、ありがとうございます」

北原さんが戻ってきたことで、あたりが騒然となり、お礼を言う声があちこちから聞こえてくる。

そんな中、私は会費を払いにくる参加者たちに対応し、払ってくれた人の名前をチェックした。