その瞳に涙 ― 冷たい上司と年下の部下 ―





北原さんとの懇親会には、いろいろな部署からそれぞれ数名ずつが参加して、総数20人ほどの大規模な飲み会になった。

北原さんの周りを中心に会話が盛り上がっていて、参加者はみんなそれなりに楽しんでくれていたように思う。

最初から通路側のテーブルの端っこに座った私は、様子を見ながらワインや食事の追加注文をしてサポートに徹していた。

会が始まって2時間が過ぎた頃、何人かが時間を気にしてそわそわし始めていることに気が付いた。


そろそろ会計をして、お開きにしたほうがいいかも……

通りかかったお店の人にそっとお会計を頼んで、伝票を持ってレジへと向かう。


「悪い。もう払ってくれたんだな」

全額立て替えて支払いを済ませ、テーブルに戻ろうとしたとき、ひとりでこちらに歩いてきた北原さんに声をかけられた。


「あ、はい。明日もありますし、そろそろ切り上げたほうがいいかと思ったので」