どうしよう。とりあえず、落ち着かないと。
騒ぐ胸に手をあてて、一度深呼吸する。
それから、誠司くんにすぐ電話をかけ直した。
「もしもし、ごめんね。出られなくて」
「よかった。繋がって……」
すぐに電話に出てくれた誠司くんは、私の声を聞くと心底ほっとしたように息を吐いた。
「美弥子は大丈夫?」
「はい。おそらく。もうすぐ病院に着くところで、詳しいことはそれからなんです」
「そう」
「美弥子のことはとにかく病院についてからなんですけど、乃々香ことで……急なことで、僕の母が明日でないとこっちに来ることができないそうなんです。それで、もしよかったら……」
「学校が終わり次第、乃々香を迎えに行って病院に連れて行こうか?」
「ありがとうございます。もし仕事が大丈夫なら、そうしてもらえると助かります。学校が終わったら学童に行かせているので、お姉さんの仕事の都合が付き次第、18時までに迎えに行ってもらえたら……」
「わかった。私もこのあと休みをもらってなるべく早く迎えに行けるようにする」
それから他にもいくつかお互いに確認を済ませて電話を切った。



