私はカバンからスマホを取り出すと、地図アプリを使ってイベント会場の周りのパーキングを調べ始めることにした。

調べると、すぐに数カ所良さそうなところがヒットする。


「ここか、ここかな。近付いてきたら指示出すわ」

「了解です。台車は持ってきてるけど、なるべく近いほうがいいですよね」

私に受け答えする広沢くんは、すっかり仕事モードだ。


さっきの言葉は、私を動揺させるための悪ふざけか冗談だったんだろう。

スマホの地図を見ながら、私も揺さぶられそうになった気持ちを切り替えた。