誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 え … ? 」


「 僕 、 親に抱きしめられたこと
ないんだよね 」


「 わたしもないけど … 」



律の腕の中は想像以上に心地よくて 、 一瞬で何かが満たされた 。




「 これからも 、 こういう事してくれる ? 」




律が離れたとき 、 またぎゅってして欲しい 。 また満たされたいと思ったらこんなことを言ってた 。




「 村田さんがいいなら 」



律は笑って受け入れてくれた 。