誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





あの事があってから図書室で会ったり偶然会えた日は話す仲になった 。




「 あ 、 市川くん 」


「 … そこでなにしてるの ? 」




また雨の日だった 。




律と出会った昇降口で 、 その日はわたしがしゃがんで大人しく落ちてくる雨を眺めてた 。




「 傘 、 無いの ? 」



まさか律に聞かれるなんて思ってなかった 。




「 んーん 、 あるよ 」



ほっといて欲しくてそっけない返事をする 。