「 あなたしかいませんよ … 」




最初は 『 黒髪で黒縁眼鏡の人 』 のイメージしかなかった 。




「 いや ! 大丈夫です
雨が止むまで待ちます 」



「 午後はずっと雨ですよ ? 」




どの天気予報も午後から雨って言ってたのに … なんて思ったり 。




「 わたし傘もう一本あるので 、 」



「 あ … ありがとうございます 」



「 じゃ 」




初めて律と話したことはこれぐらいだった 。


また会えるなんて思ってもなかった 。