誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。




あ 、 落ちる 。



「 おっ 」




小野くんはわたしの右脇の下で壁に手をついて落ちないようにしてくれた 。



… けど左手はまだ小野くんに掴まれてるし 、 なんか 、 変な壁ドンみたいになってるし … っ



今のわたしと小野くんの距離はもう20センチにも満たないと思う 。



律以外の男子をこんな近くで見たことないしどうすればいいの … ?



肌の毛穴とか分かっちゃうよこれ …



「 … すいません 」