誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 あ ! 透子ちゃん ! いたいた ! ! 」



見上げると 、 一番会いたくなかった人 。




「 … そのハンカチ … 」




小野くんの手にあるのは昨日わたしが忘れていったハンカチ 。




「 そう ! 渡そうと思って !
昨日体育倉庫に忘れて行ったでしょ ? 」




小野くんがハンカチを持った手を伸ばす 。




「 … ありがとうございます 。 」