「 わたし小野くんに依存してませんか ? 」



だって誰かに言われなきゃ気づかないような 、 律に必死にしがみついていたあの時に戻りたくない 。

あんなに虚しいことってきっと他に無い 。




「 透子ちゃんは俺のこと好き ? 」



「 好きです ! 」



即答してしまって小野くんに笑われる 。



「 俺も大好きだよ 、 だから大丈夫 」



「 … そうですか ? 」



「 うん 、
 透子ちゃんと俺の気持ちが全てだよ 」



「 そうですね 、 全てですね 」



律に対しての気持ちは恋ではなくてきっと寂しさからくる人恋しさだったんだろうな 。


今も寂しさはたまに感じるけど 、 それは仕方ないことだと折り合いをつけている 。


どれだけ幸せでも寂しさは感じてしまうけど 、 それをなくすことはできないから 。




「 じゃあ … 今ここでキスしちゃう ? 」



「 だめです 」



なんてふざけながら話しているとわたしの家の近くまで来てしまった 。


小野くん家の最寄駅までだって言ったのに …


でも小野くんの厚意に甘えさせてもらう 。




「 結局わたしの家まで来ちゃいましたね 」


「 あははっ ! そうだね〜
 透子ちゃんと話すの楽しくて
 考えてなかったよ 」



「 わたしも楽しかったです 」




楽しかったって言葉使い過ぎなのでは … もっと違う言い回し無かったかなと少し後悔していると自宅であるマンションに入ろうとする人が目に入った 。




「 … お父さん … !? 」



わたしがそう言うと前にいるお父さんが振り向いた 。




「 えっえっええっ !?
 おおおおとうさん !? 」



小野くんは驚いてわたしとお父さんを交互に見ている 。




「 透子 ?? … 隣にいる人はもしかして … 」


複雑な顔をするお父さん 。



「 ああああはいっ !
 透子ちゃんとお付き合いをさせて
 頂いている小野蒼介です ! 」



高校生だからそんなかしこまらなくていいのに … って思ったけど緊張している小野くんは珍しい 。




「 そうか … 透子の恋人か … 」




お父さんはそう呟いた後優しく微笑んだ 。






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