ベージュのタートルネックセーターにブラウンのプリーツスカート 。
その上にベージュのロングコートを着て赤いチェック柄のマフラーを巻く 。
もう12月中旬 。
お昼なのに太陽が役に立たないほど寒い 。
何着ても寒いから暖色を着て暖かい気分にはなりたい 。
小野くん家のインターホンの前に立つ 。
小野くんの家はグレーを基調とした綺麗な一軒家 。
小野くんのお母さんが出たらどうする ?
なんて言えばいいかな ?
ていうかなんかお菓子持ってくればよかったかな …
いろんな考えがぐるぐる回っているが考えることをやめてインターホンを押した 。
「 あ 、 透子ちゃん ? 今開けるね 」
小野くんの声が聞こえて何かを言う隙もなく玄関のドアが開いた 。
「 いらっしゃい 」
小野くんは愛らしい笑顔で迎え入れてくれた 。
小野くんの私服は何度も見ていたけど今日の私服はいつもよりラフな感じだ 。
「 どうしたの ? 」
無意識にじっと見てしまっていた 。 まだ小野くんの私服には慣れなくて 。
「 あ ! いえ … !
あの … ラフな感じの私服も …
いいです 」
さっきまで寒かったのに今は熱くなっている 。 主に顔が 。
「 あ 、 そう ? 嬉しい 」
わたしは照れてしまって何回も頷いた 。
自分でも何の頷きなのか分からないけど 、 わたしが何回も頷いていると小野くんも真似し始めた 。
んふふ 、 と小野くんが笑った後 「 寒かったでしょ 、 中に入って 」 と言う 。
「 おじゃまします 」
何かを期待するような 、 でも不安もありながら一歩踏み出した 。