夏休みが終わっても小野くんからは告白の返事を急かされることはない 。



でもわたしの返事は決まっている 。




わたしは小野くんが好き 。




もう気づかないふりはできない 。



そう思ってしまえばあとはすんなり行くもので 、 ずっと無視してきた気持ちがどんどん表へ出てきた 。




恋はキラキラしたものなんかじゃない 。



これは律で分かりきっている 。

勝手に期待して嫉妬して悲しくなって 。

でも会ってしまうと自分が特別なんて思って全てどうでも良くなる 。


恋なんて面倒なのは分かっていた 。



それでも小野くんに惹かれたのは 、 小野くんと気持ちをはんぶんこしたかったから 。



今までわたしの気持ちや過去を小野くんにはんぶんこさせてもらっていた 。



次はわたしが小野くんの好きの気持ちも嫌な気持ちも 、 これから起こる嫌な出来事も嬉しい出来事もはんぶんこさせて欲しいと思った 。


それは友達という関係では嫌で 、 どうかわたしだけを選んで欲しいと欲張りになってしまった 。





2学期が始まって1週間が経った頃 、 『 告白の返事がしたいです 』 と小野くんにメッセージを送った 。


1週間も待たせてしまったのに小野くんはただ 『 待ってるね 』 とだけ言ってくれた 。




学校が始まっても簡単に小野くんに会えると思っていたけどクラスが離れているだけでなかなか会えないから放課後に時間を作ってもらった 。



わたしは小野くんに会う勇気が出ず 、 小野くんがわたしに学校では絡まないのは理由あるのかもしれない 。