誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





小野くんに優しく肩を引かれる 。



同級生の子たちはわたし達を見ると驚いていた 。



「 ええ !!
 村田さん蒼介と一緒に来てたの !?
 まさか付き合ってんの !? 」



中川さんに睨まれた気がした 。



「 いいえっ !! そういうわけでは … ! 」



「 でも前村田さんと蒼介が
 居なかった日あったよね !
 あやし〜 !! 」




何度も違うと言っても会話を始めてしまって否定は意味ないように見えた 。




「 あのさ 」



ずっと黙っていた小野くんが怒るような声を出すと会話をやめた 。




「 … ほんとに付き合ってないから
 俺が無理矢理透子ちゃん連れ回してるだけ
 だから
 勘違いして話進めるのやめてよ 」



4人は黙り込んでしまった 。



わたしも小野くんみたいにはっきり言えたらみんな嫌な思いしなくて済んだんだけど …




「 行こ 」



「 あ 、 」



手を掴まれて4人から離れるように歩き出した 。



人は徐々に減っていき 、 騒がしい音も遠くなっていった 。




境内の奥に着いたとき小野くんの足が止まる 。


小野くんは黙ったままでわたしの方を見ない 。



怒らせちゃったかな 。




「 小野くん 、 ごめんなさい
 わたしがはっきり言えたら
 誰も嫌な気分にしなかったのに … 」




「 いや 、 透子ちゃんは何度も否定したのに
 話聞かないあいつらが悪いよ
 … ていうかさ … 」




やっと振り向いてくれた 。