誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 何する〜 ? なんか食べる ? 」



境内に入ると人はさらに多くなって参道の奥が見えない 。




「 う 、 ううん … えっと … 」




人に潰されそうだ 。


人混みのせいで体が縮こまる 。


前を歩く小野くんが振り向くとわたしを見て笑った 。




「 服掴んでていいから 」




わたしの手首を掴んでわたしの手が小野くんの背中に触れた 。



わたしは小野くんのシャツを優しく掴んだ 。

こんなに距離が近くなったのは久しぶりだ 。 小野くんの背中が大きく見えた 。




「 … かき氷食べたいです 夏なので 」




「 俺も食べたいと思ってたんだ〜 !
 行ってみよっか ! 」




かき氷の屋台には人が少なかったからすぐ買えた 。




わたしはいちご味 、 小野くんはブルーハワイのかき氷を買った 。




参道を少し外れた所にある広場へ向かった 。





「 やっぱり人が多いね〜 … 大丈夫 ? 」




「 大丈夫です 、 小野くんのおかげで
 かき氷も食べられますし 」




「 そんなに好きなんだね 」




夢中でかき氷を食べていると小野くんに笑われた 。




「 … だって夏といえばかき氷ですし !
 ブルーハワイ味は舌が青くなりますね 」



少し悪戯っぽく言ってみると小野くんは舌をぺろっと出した 。




「 … ふふっ … もう青いですね 」



「 透子ちゃんも食べて一緒に舌青くしようよ 」



「 いやです 」




人混みに埋もれそうでも小野くんと一緒にかき氷を食べただけで楽しくなれる 。


でもずっとドキドキしてる 。 帰りたいけどまだ帰りたくない 。