誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





「 あっ 透子ちゃん !
 久しぶり〜 ! 会いたかった ! 」




次の日 、 高校の最寄駅で待ち合わせをしてわたしが少し遅れてしまった 。



わたしに気付いた小野くんは犬みたいにわたしに近寄ってきて両腕を広げながらやってきた 。




「 遅れてすみません 」



抱きしめられそうになったのを交わして挨拶した 。



小野くんのアッシュグレーは今も健在で 、 こんな中途半端に田舎な町だと少し目立っている 。



たった1週間会ってないだけなのに長い間あってないように感じた 。



いつも通りの小野くんに少し安心した 。




駅前のカフェに入って適当に課題を進める 。



と言っても小野くんの課題を見るためにわたしの課題は全然進まないんだけど 。



あまりの進行速度の遅さにびっくりする 。




「 分かんない ! 透子ちゃん助けて ! 」




やっと問題が解けたと思ったら次の問題 。


でもちゃんと話を聞いてくれるしメモまで取ってるから根は真面目なんだろう 。


必死にわたしの話を聞く態度が可愛く見えてしまう 。