アラームの音が部屋じゅうに響き渡る 。



… この音はアラームじゃない 。 電話の着信音だった 。



スマホ画面を見ると小野くんの名前が表示されていた 。



友達もいないし人とそんなに関わらないから誰かからの電話は珍しかった 。




「 …… ぁい 」




寝ぼけながら夢と現実との差が曖昧なまま電話に出た 。




「 透子ちゃんおはよ〜
 ってもう昼過ぎだよ ?! 」




小野くんの声で目が覚めた 。



時計を見ると1時半を過ぎていた 。





「 … いいじゃないですか
 夏休みですし 」




夏休みが始まって1週間 。 まだ夏らしい事はせず 、 2回ぐらいしか外に出ていなかった 。



わざわざこんな暑い中外に出る方がおかしな話だ 。



見事に昼夜逆転してしまった 。




「 寝起きの声もかわいいね〜 ! 」




「 用件はなんですか 」




ちょっと嬉しい気持ちを抑えて冷静を装う 。