「 これまでの酷い事 、
 許されたいとは思わないけど
 透子ちゃんが幸せになる手伝いをしたい 」




もう 、 そう言われるだけで幸せだった 。




「 許すも何も …
 助けられたことの方が多いです
 … すでに幸せですよ 」




わたしは小野くんの笑顔に負けないくらいの笑顔を見せた 。

はずだけど小野くんは不服そうな顔をしている 。





「 嬉しいけど … そうじゃないっ !
 俺は透子ちゃんにドキドキしたりヤキモチ
 妬いたりして欲しいのっ !
 透子ちゃんを恋人として
 幸せにしたいってこと ! 」




自分でもわかる 。 今この上なく驚いた顔をして顔が赤くなっている 。



「 そ … そんなこと言われても … 」



「 そろそろ俺を恋人候補にしてくれない ? 」



小野くんが覗き込むようにわたしを見た 。


5月ぐらいに告白されて 、 何度も断っているけどはっきりとした答えは保留のままだったっけ 。




「 これからもっとアピールするから
 めちゃくちゃ意識してね
 … 俺だけにもっと顔を赤くして 、
 もっとドキドキしてね 」




小野くんの思惑通りどんどん顔が赤くなっていくし心臓なんて肌から伝わりそうなほどドキドキしていた 。