「 とりあえずぶらぶらしよ 」
そう言って歩き出す小野くんに後ろからついて行く 。
駅から少し離れただけなのにもうさっきの賑やかさは半減して古い建物が多くなってきたけど人の多さは変わらない 。
それからは他愛ない話をした 。
小野くんの期末テストの結果が悲惨だった事 、 わたしのお弁当の具材がほとんど冷凍食品だって事 、 あと1週間もすれば夏休みが来る事 。
30分くらい会話をしていたけど律の事は一度も話題にならなかった 。
そんな小野くんの優しさもあって小野くんとの会話は誰よりも楽しかった 。
「 ここ 、 階段下りてみよ ! 」
車が通れるくらい大きな橋には渡らず 、 橋の前で曲がった 。
それまで建物に隠れていた川が姿を見せた 。
階段で河川敷まで降りる 。
「 思ってたよりも綺麗 … ! 」
初めて見る景色で目に写る全てのものが新鮮だった 。

