誰も見ないで 、 僕だけを選んで 。





しばらく電車に揺られて降りたのは高校の最寄りから5駅離れた場所だった 。



2駅離れた場所でも見たことない景色ばかりだったのに 、 5駅離れたここはもう違う県なんじゃないかと思うほど見慣れない景色だった 。




「 ここ … ですか ? 」



「 そ ! 」



駅の周りは賑やかな街並みにちらほら古い建物があった 。



その景色の向こうには山とも言い難い森のような木々が見えた 。




「 意外です 」



「 ん ? 何が ? 」



「 こういう都会じゃない所にも行くんですね 」



「 うん ! この近くに川があるんだけど 、
 景色が好きでたまに来るんだよね
 それを透子ちゃんと共有したくて ! 」




嬉しかった 。



誰かの好きなものを知って共有することがこんなに嬉しいなんて思わなかった 。